コロナ=COVIT-19が齎したものについて述べてみます。
世界に比べ日本はコロナに上手く対応しているようです。
しかしながら経済への打撃は深刻で、GDP10%減の見通しです。
『パソナの淡路島移転、高まる地元期待 南部氏の本気度は』
https://www.asahi.com/articles/ASN9V4251N9CPIHB005.html『リモートワーク導入企業44社まとめ【正社員の求人情報も】』
https://www.remotework-labo.jp/2018/07/remote_company/コロナをきっかけに企業の本社機能の移転や規模縮小が加速するようです。
今後5年間で都心部のオフィス需要は半減するだろうと言われています。
公共交通機関もコロナ以前への経営の回復が見込めません。
コロナ終息に懐疑的な意見がある中で、鉄道業界は駅の無人化を推し進め人更なる員削減を行います。
飲食店、エンターテイメント系、アミューズメントパークやスポーツ関係も入場者制限を行い続けます。
値上げは致し方なしでしょう。
皮肉にもコロナによって都心部への一極集中や労働生産性の低下、そしてデフレが改善されるのです。
コロナは日銀総裁や経団連、同友会よりも優秀なのかもしれません。
経済について考えてみましょう。
経済の先行き不安が強いのにも拘わらず株価は堅調です。
要因は各国の金融緩和政策です。
世界中にお金が溢れそれが株式や債券、不動産に流れるからです。
金融緩和は不自然な株価の下支えをしているわけです。
特に日本にその傾向が強いようです。
安部政権は『経済の三本の矢』を公約に掲げました。
金融緩和、積極的財政支出、規制緩和の三本です。
民主党時代のデフレと行き過ぎたる円高にブレーキがかかり、有効求人倍率も劇的に改善されました。
但し発足時は良かったのですが何故か途中から財政支出が止まります。
平成24年建設公債発行額は11.4兆円あつたのですが、以降特別公債も含めた公債発行額は下降します。
『⼀般会計における歳出・歳⼊の状況』
上の図で棒グラフの青い部分が建設国債の推移です。
平成21年をピークに減少傾向です。
平成21年の首相は麻生さんです。
リーマンショックでのエコカー減税や定額給付金などの金融政策が記憶に残っています。
但し、前の福田康夫内閣に続き税収は減少し続け、経済においては失政でした。
グラフで分かる通り、アベノミクス『経済の三本の矢』は後半には停止状態になってしまいました。
麻生政権の失政をちらつかせ「公債発行増額をしても景気は上向かなかった!」
という財務省のロジックに敗れたのでしょう。
為替において、直近5年で円は対米ドルレートで110円前後に落ち着いています。
円の為替レートでの安定で注目すべき点は、世界に先駆けた日本の超低金利政策です。
つまり質的緩和。
多くの投資家は最も金利の低い円で借金をし、他国の高利回りの株や債券に投資します。
『円キャリートレード』というやつです。
世の中の有事の際には投資の引き上げが起こります。
つまり円借入金返済の為、円が買われ円高基調になるのです。
常に円買い傾向です。有事のドル高は過去の物です。
なので円は暴落しません。
日本経済が弱含み基調なので円安要因なのですが、日銀のマイナス金利政策が円の対米ドル110円前後で落ち着かせている様です。
なので為替が安定している故に、コロナショック下の経済状況においても企業には悲壮感が無いのでしょう。
ただ銀行はたまったもんではありません。
低金利はともかくもマイナス金利は無い。
高金利時代は預金利息で潤うことが可能でしたが、成長分野が少ない成熟した先進国では経済成長の為の低金利政策は当然のことです。
なのでハイパーインフレーションを警戒する方がいますが、戦争でも起こらない以外はあり得ません。
年金生活者も頭を使って資産運用しなさい、働きなさいという事でしょう。
ではなぜ金融緩和にも拘わらず可処分所得が増えないのか?
経済政策には金融緩和と財政支出の両輪でないと資金は株式や債券に回ってしまい市場にお金は流れません
。つまり民間に流れない。
特に量的金融緩和が重要です。
安部政権は発足当初は量的緩和を増やしましたが後半は完全に減らしています。
なので市場経済が上向かないので民間企業がお金を回せない。
結果結果給与が上がらない。
つまり、更なる金融緩和をしても過円安にはならないのであれば、質的緩和だけではなく量的緩和も行い、積極的財政支出が望ましい。
それにより債券市場から一般市場にお金が流れ、株価と実体経済は近くなります。
それが経済成長に繋がり給与上昇に繋がる筈です。
つまり企業活動を活発にし、有効求人倍率を上げ現金給与を増やさないと経済は上向かない!ということです。