パーマ屋が語る『受胎告知』 Part2
20代半ばの頃、フランス人美容師が作るヘアースタイルにカルチャーショックを受けた。
デザインが違う。
理由は文化が違うから。
日本は木造建築、そして水墨画と金箔画。
直線とモノクロームの文化。
ヨーロッパはノートルダム寺院やガウディ建築に見られる曲線、石の文化。
そしてフレスコ画は色彩の文化。
ヘアースタイルは曲線構成、メークアップは色彩。
ミケランジェロ、ラファエロが生まれた原点を学ぶべく、
一人、航空券とハサミだけをもってヒースロー空港に降り立った。
シャルルドゴール空港でなかったのは、いくら勉強していたとはいえ、
いきなり仏語圏はビビったから。
伊太利で無かったのは単なるフランスかぶれだったから。
語学と共に、中世の美術史を勉強した。
やがてルネッサンスに魅せられた。
そして解ったことはバロックの原点はルネッサンス文化に有りという事。
イタリアに滞在していた時、イタリア人からフランス料理の原点はイタリア料理であると聞かされた。
最初は「なに言ってんだ、こいつ?」だったが。
元来、フランス料理にはフォークが無かった。
ソースとスープの料理だから。
フォークが持ち込まれたのは16世紀。
銀行屋だったメディチ家は王室に強いコンプレックスを持っていた。
なのでカテリーナ・ディ・ロレンツォ・デ・メディチを後のフランス国王アンリ2世に嫁がせた。
その時にお抱えの料理人と給仕人をはじめ、料理道具、調理方法、フォークやグラスなどの食器類、
食事作法etcをイタリアからフランスに持ち込んだのが現在のフランス料理の原点です。
ただ音楽はバロックの方が良い。
余談ですが、バチカン美術館にある『ピエタ』 彫刻ミケランジェロ作
マリアの表情が素晴らしい。
24歳の若造にして、これが彫れるのか?と唸らされてしまう。
当時の美容師仲間は多くが海を渡った。
偉大なる先駆者の『須賀勇介』さん。
NYDCの『山根英治』さん。
今の美容師は多くが、井の中の蛙大海を知らず?
ヨーロッパは多くの事を教えてくれた。
その中でも1番の教訓として学んだことは人種差別だった。
特にフランス。フランス人に対する見方が変わった。
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