映画『やくざと家族 The Family』を観てきました。
https://www.yakuzatokazoku.com/
面白いんだけど重い!
でもお勧め。
『ストーリー』
バブル崩壊で自殺した証券マンの息子でチンピラの綾野剛扮する山本賢治、ひょんなことから舘ひろし扮する柴咲組組長の柴崎博の命を助ける。
それをきっかけに親子の契りを結びチンピラ時代の悪友と共に組幹部となる。
行きつけの食堂の女将愛子(寺島しのぶ)の亡き夫は柴咲の弟分だった。
愛子には一人息子の翼(磯村勇斗)がいた。
時代は平成の初期。
シノギで組は潤い肥大するが、利権争いで他組との抗争は激しさを増す。
用心棒をするクラブの大学生ホステス尾野真千子扮する由香に好意を寄せ一夜を共にする。
其の後、抗争殺人で若頭の身代わりとなった山本賢治は実刑14年となり塀の中で過ごす。
刑期を終えると時代は平成になっていた。
迎えの車に乗り組事務所に帰ってくると、暴対法の影響で組は縮小され見る影も無くなっていた。
みかじめ料やシノギが入らず2代目組長の中村(北村有起哉)は覚せい剤の密売に手を染め自らもシャブ漬けになっていた。
5年ルールと反社レッテルにより人としての生活もままならず、悪友だった元組員とも付き合いが限られてしまった。
由香と再会した山本は、14歳になる床の娘彩が自分の娘であることを知る。
しかしながら反社という事がかつての盟友・細野(市原隼人)の人生どころか、由香の人生までも狂わせてしまう。
そんな中、山本は親の復讐を誓う翼の言動に若かりし頃の自分と重ね、そして覚悟を決める・・・・・。
映画を見終わって自分のサロンの歴史が重なった。
うちがオープンしたのは平成2年。
訳あって最初は理容室だった。
特大サイズの床屋のサインポールを回した。
当時としては斬新な床屋だった。
界隈でちょっとは名が知れ、ヤクザの親分や姐さんその他多くのその筋の関係者にご来店頂いた。
500SELのベンツが店の前に並んだ。
先頭は若頭、次が地上げ屋、そして姐さんのベンツが最後尾。
「誰のベンツ?私のが停められないじゃない!生意気ね!」
店の向かいには毎朝シルバーのプレジデント。
的屋の元締めの親分の送迎車である。
抗争事件が有った直後には、防弾チョッキを着たまま組員がカットにいらした。
若頭や姐さんは常に幹部や部屋住みの若い衆を運転手兼付人にしていた。
部屋住みは特攻服がユニフォームだった。
多くは家庭に問題のある少年ばかりだった。
部屋と食事と躾が有り、さながら養護施設か戸塚ヨットスクールだった。
近所の半グレ親父が姐さん達と鉢合わせになろうものなら、直立不動で敬語がカミカミに。
笑えた。
たまに姐さんに食事やゴルフに誘われる。
若頭が先頭で繁華街を肩で風切って歩いていた。
呼び込みが最敬礼で迎えた。
ショーパブではマネージャー、女将、料理長がテーブルに挨拶に来た。正座で。
姐さんも若頭もいい人だった。
スタッフ教育にも協力して頂いた。
姐さんは曲がった事が嫌いでスタッフが自身の足元を見られる様な事をしたり、嘘をついたりすると凄みのある目つきでスタッフを諫めた。
ある時にはスタッフが若頭の付き人の組員をとら刈りにしてしまったことがあった。
付き人はスタッフを怒鳴った。
すると顔を剃っていた若頭が一言。
「お前、ここは姐さん御用達なの分かってんだろ?騒ぐんじゃねぇよ!」
付き人は黙り込んだ。
が、スタッフはチビった。
平成3年、バブル崩壊が始まり暴対法が施行された。
まず地上げ屋が一人また一人と居なくなった。
背中に墨の入った方々も嘘のように姿を消した。
しかしながら姐さんの組は健在だった。
ただ、やり手の2代目組長が急逝し、雲行きが変わった。
今までなかった仲間割れが起きた。
一人また一人と別荘に行く幹部組員が増えた。
組では覚せい剤は厳禁だったが、シノギが激減し手を出してしまうのだ。
売人ならまだしも自分で打ってしまう。
自使用は尿検査で足が付くのでほとんどがしょっ引かれる。
「器じゃ無いんだよ!」
その現状に姐さんが呟いていた。
幹部が半グレにやらせていたおでんの屋台も消え去った。
売り上げをごまかされてしまうのだ。
いつの間にか止まっていた向かいのシルバーのプレジデントも見なくなった。
2000年の頃にはほぼ壊滅的な状況だった。
取って代わり、中国人や中国残留孤児からなる怒羅権(ドラゴン)が裏社会で勢力を拡大した。
蛇頭や東北系チャイニーズマフィア(東北幇)も暗躍した。
当時山口組を始めとした関西系の暴力団も東京進出を始め、住吉会、稲川会と抗争が激化した。
裏社会は混乱した。
中国系の暗躍は暴対法で日本の暴力団が弱体化したからである。
夜の繁華街は無法化した。
当時、幹部の方がこぼしていた。
「あいつ等、仁義も糞もあったもんじゃねぇ!」
歌舞伎町が大変だ!という。
関西系の暴力団の東京進出は暴対法により関西でシノギが激減したためだと。
「大阪は東京と比べたらだシノギが少ないんだ!だから大阪もんは『生き馬の目を抜く』が如くなんだよ。金の生る木が生い茂る東京もんは温室育ちだからシマ取られんだよ!」
暴対法の数年前に世間を震撼させた幼女誘拐事件犯の宮崎勤が逮捕されています。
「ヤクザは赤線と同じ必要悪なんだよ。赤線が有りゃ宮崎勤みたいな事件は減るんだよ。」
姐さんからレクチャー頂きました。
姐さんは屋台の元締めの奥様の紹介でした。
美容室ジプシーだったのですが気に入って頂けた様です。
最初の頃、周りの方々から「覚せい剤入りのシャンプーで洗ってんの?」と揶揄されることもありましたが。(笑)
ただ予約も無くご来店され、サロンを独り占めの振る舞いでした。
見るに見かね、予約をするようお願いすると若い衆が待合で待たせるようになりました。
待合で特攻服のサングラス、パンチパーマの兄さんんが女性セブンを読んでいるわけです。
当然他のお客様は脅え営業妨害です。
順番の取り方に文句あんのか?でした。
流石に私も我慢できず私は言いました。
「客様は皆平等です。姐さんだけを特別扱いはできません。特別扱いがご希望なら指名料2万円をお支払いください。他に美容室はいくらでもありますから。」
姐さんの返事は
「私に向かってそんな口利いたのあんたが初めてよ!覚悟出来てんだろな?」
の捨て台詞でした。
引退なさっておりますが、未だにご来店頂いてます。
養子にと思っていた部屋済みの人とも訳有って縁を切り、今はお一人です。
あれだけ群がっていた組員の嫁達も来ないようです。
逆にさばさばしたように見受けられます。
いらっしゃる度に
「表参道に店出せばもっと成功したのに!」
と褒めて頂きます。
そのに対する私の答えはいつも笑顔で
「ここに店を出したから、姐さんにお逢いでき私も成長させて頂いたのですよ。」
一見の価値は有ると思います。
映画『やくざと家族 The Family』は少し私をノスタルジックにしてくれたそんな映画でした。
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