1980年代から学級崩壊が社会問題化し、2000年の頃からは小学校レベルでも深刻になった。
理由は受験戦争の激化や体罰の禁止等諸説ある。
そこから教育の格差が始まった。
少子化時代に向け、学校の淘汰が始まった。
偏差値60以上の高校が増える一方で、50に遙かに届かない高校との格差が広がりを見せる。
公立高校を始めとして偏差値を上げられず、思うように生徒数を集められない高校が増えた。
公立の工業高校や商業高校は統廃合に追い込まれる。
2000年代に入ると、特進科を設置する高校が増えだす。
それまでは文系と理数系での区分けが一般的だったが、それが特進科クラスに代わった。
学校によってだが、1学年に1〜2クラスある。
特進科を有する高校の特徴は、合格偏差値が50〜60のように幅が有る。
例えば
足立学園高校、安田学園 55―65
淑徳巣鴨高等学校 56ー65
高い数値が特進科クラスである。
特進科に学校は教育資源を集中投下する。
それが功を奏し、昭和の頃は並みでしかなかった高校の一部は、偏差値を上げ進学校に化けた。
特進科の進学率は100%。
東大は居ないが、Aランク大学、日東駒専辺りには一定数合格者させている。
普通科の進学率も100%近いが、Cランク中心で一定数の専門学校が含まれる。
対して、有名進学校には特進科は存在しない。
合格偏差値は単数。
例えば
私の母校の本郷高校の偏差値は71
開成77
早稲田実業75
このように単数で表示されます。
毎年東大へは二桁の合格者を送り出す。
開成に至っては、毎年100人以上が東大へ合格する。
つまり全クラスが特進科。
更に、私学だけではなく小石川中高校のように公立校の中でも中高一貫校が進学校として注目されだす。
本郷高校も1957年より募集を中止していた中等科募集を、1988年より再開する。
中学受験は高校受験よりレベルが高い!と言われている。
なので中学受験を突破するとある程度の大学が担保されるので、近年、中学受験をさせる家庭が増えている。
次女は某私立学校の特進科だったが、明らかに普通クラスとは授業時間数が違った。
普段の補講もそうだが、特に夏休みと冬休みの補習授業。
終業式後も夏期冬期講習に縛られるので、休みは普通クラスの2/3位しかない。
なので予備校や塾に行かせる必要が無い。
当然ながら学力は雲泥の差がつく。
そんな中、偏差値の低い、主に公立の高校での学校崩壊は深刻化を増している。
卒業生は進学はおろか、定職にも就かない。
そして教育格差が格差社会に繋がる。
ある女性教育関係者から、非常に興味深い話を聞いた。
彼女は大学卒業後、ある小学校の1年生の担任に赴任した。
しかしながら赴任先の小学校では学級崩壊で、授業もままならない状況だった。
その状況を見かねた彼女は校長先生に学校でウサギを飼う事を提案した。
提案を受けた校長先生が太っ腹で
「ウサギなんて言ってないで、牛を飼おう!」
と逆提案した。
結局ヤギを飼うことに決まり、生徒たちにその世話をさせた。
それを機に農家での校外授業を始めた。
畜産農家で牛の餌やりや乳しぼり、牛舎の掃除。
子供達には全てが初体験で新鮮だった。
1年後、学級崩壊が収まったという。